人は誰でも、
“すでに素晴らしい”という場所に立っている
「あなたは、すでに素晴らしい」
この言葉に、あなたはどんな感情を抱くでしょうか。
照れくさい、信じられない、そんな気持ちが浮かぶかもしれません。
けれど私は、それでもこの言葉を伝えたいと思っています。
“治す”でも、“変える”でもなく、
「自分の心とつながり直す旅」に、ただ静かに寄り添いたい。
そんな想いから「ここのば」は生まれました。
カウンセリングや支援という言葉の前に、まず「人と人」としてつながること。
そこから、あたたかな共鳴と、小さな再出発が生まれていくことを、私は信じています。
“変わる”より“還る”を大切に
現代は、「前向きに」「変化を」「自己実現を」と、たくさんの“成長圧”に満ちています。
けれど、変わることだけが幸せの条件ではありません。
むしろ、無理に変わろうとして、自分の本音を置き去りにしてしまう人が多くいます。
「ここのば」が大切にしているのは、“還る”という方向性です。
ありのままの自分を、否定するのではなく迎え入れること。
自分の声を思い出し、もう一度耳を澄ますこと。
無理に前を向かなくても、
笑えなくても、
涙が止まらなくても――
それでも大丈夫と、伝えたいのです。
私たちは“変わる”のではなく、“還る”ことで癒され、そして再び歩き出す力を取り戻せるのだと信じています。
支援者であり、当事者でもある私の原点
私はこれまで、精神科病院、保健所、行政の現場で、支援者として働いてきました。
けれどその裏で、二度のうつ病、離婚、難病の告知、父の死…
自分自身も何度も「生きるのがしんどい」と感じる出来事に直面してきました。
支援者であるからこそ、「しっかりしなければ」「ちゃんとせねば」と自分にプレッシャーをかけ、
本音を閉じ込め、笑顔の仮面で心の痛みを隠していました。
そんな私を救ってくれたのは、
「もう無理だ」と漏れた本音と、
「あなたは、そのままでいい」と受け止めてくれる存在でした。
ここのばでは、支援の現場で得た知識や技術だけでなく、
この“当事者としての実感”を軸にしています。
だからこそ、誰よりも「あなたの気持ちがわからないとは言いたくない」と思い、
どんな状況の人にも居場所を開いていきたいと願っています。
共鳴と対話からはじまる“癒し”
「ここのば」の支援は、アドバイスや分析を一方的に与えるものではありません。
“正しさ”ではなく“誠実さ”を土台に、共に歩む関係性を大切にしています。
- 支援者が完璧でなくてもいい
- 揺れているあなたも、ここにいていい
そんな空気が流れる場こそが、人の心をほどき、回復の力を育むのだと思うのです。
対話とは、知識を教える時間ではなく、感情に触れ合う時間。
人は誰かに受け止められたとき、自ら癒され、再び進む力を取り戻します。
「共鳴」こそが、ここのばの支援の原点であり、何よりの“心の処方箋”です。
“ここにいていい”と感じられる社会を目指して
「ここのば」が目指すのは、すべての人が“素のままの自分”で安心していられる社会です。
障害や診断の有無、年齢、国籍、肩書きに関係なく、
誰もが「ここにいていい」と心から思える世界。
たとえどんな過去があっても、
どんなにうまく話せなくても、
人は、何度でもやり直すことができます。
そして、自分自身を大切にできる人が、また誰かの力になっていく――
そんな“癒しと再出発の循環”を生み出す拠点として、
「ここのば」は存在していきます。