
心の不調、どこに相談すればいい?|心療内科・精神科・カウンセリング・公的相談の違い
心療内科・精神科・カウンセリング・公的相談の違いを整理する
最近、眠りにくい。
仕事に行くのがしんどい。
人間関係のことを考え続けてしまう。
気分が落ちている気もするけれど、「病院へ行くほどなのかな」と迷う。
検索してみると、
「心療内科」
「精神科」
「カウンセリング」
「こころの相談窓口」
と、いくつもの選択肢が出てきます。
そこで今度は、
「私はどこへ相談すればいいんだろう」
と迷っていませんか。
先に全体像をお伝えすると、相談先を選ぶときは、どこが一番よいかを決めるより、「今、何を相談したいのか」を分けると整理しやすくなります。
大まかには、
- 診断や治療について相談したい → 精神科などの医療機関
- 心理的な要因と身体症状の関係を診てもらいたい → 心療内科
- 悩みや状況を対話しながら整理したい → カウンセリング
- どこへ行けばよいか自体が分からない → 保健センターなどの公的相談
という役割があります。
ただし、実際の医療機関や相談機関によって対応範囲は異なります。
「どれか一つを正解にする」というより、自分の困りごとと相談先の役割を合わせていくと考えてみます。
精神科は、こころの病気の診断や治療を行う医療機関です
精神科・精神神経科は、こころの病気を専門に診る医療機関です。
医師が状態を医学的に評価し、必要に応じて診断、薬物療法、面談などの治療を行います。
厚生労働省も、精神科・精神神経科を、こころの病気を専門に診る医療機関として案内しています。厚生労働省
たとえば、
眠れない状態が続いている。
気分の落ち込みが強い。
食欲が大きく変わった。
仕事や学校、家事など日常生活への影響が大きくなっている。
といった心身の変化が続いている場合には、医療機関へ相談することも選択肢になります。
気分の落ち込みや興味・喜びの低下など複数の症状が2週間以上続くことは、うつ病を考える際の一つの目安として厚生労働省でも紹介されています。もちろん、自己判断で病名を決めるための基準ではありません。厚生労働省
「心療内科=軽い精神科」とは限りません
名前から、
「精神科は重い人」
「心療内科は軽い人」
と考える人もいるかもしれません。
ただ、本来の心療内科は、心理社会的な要因が身体症状に影響する心身症を主な対象とする内科です。
厚生労働省のe-ヘルスネットでも、心療内科は、ストレスなどの心理社会的要因が発症や経過に影響する身体疾患へ、心身両面からアプローチする診療科と説明されています。健康日本21アクション支援システム
一方、実際には、うつや不安などこころの不調を診療している「心療内科」もあります。
そのため、
「心療内科という名前だから、ここなら自分に合う」
と科名だけで判断するより、
何を診療しているか。
どんな症状を対象としているか。
初診を受け付けているか。
などを、ホームページや電話で確認する方が確実です。
厚生労働省も、科名だけでは判断しにくい場合には、医療機関へ直接確認する方法を案内しています。厚生労働省
カウンセリングは、「困っていることを整理する」ためにも使えます
カウンセリングというと、
「深刻な悩みを話すところ」
と思っている人もいるかもしれません。
でも、相談内容はそれだけではありません。
たとえば、
仕事で同じことにつまずく。
家族との関係を整理したい。
相手の機嫌を気にしすぎて疲れる。
自分では何がつらいのか、うまく言葉にできない。
これからどうするか選択肢を整理したい。
といったことも相談の対象になります。
公認心理師は、心理状態の観察・分析だけでなく、本人やその関係者への相談・助言・援助などを行う心理職です。厚生労働省
ここで分けておきたいのは、
医療とカウンセリングは、どちらが上・下という関係ではない
ということです。
医療で状態を診てもらいながら、心理面についてカウンセリングを利用する場合もあります。
一方、診断や薬の処方が必要な場合、民間のカウンセリングだけで医療の代わりをすることはできません。
つまり、
治療することと
整理すること
は、重なる部分があっても同じではありません。
「病院へ行くほどか分からない」なら、公的な相談窓口もあります
実際には、
「精神科へ行くべき?」
「カウンセリングでいい?」
というところまで自分で決められない人もいるでしょう。
その場合、最初の相談先を公的な相談窓口にする方法もあります。
厚生労働省は、精神保健福祉センターなどの公的相談のほか、悩みの内容・相談方法・地域から相談先を探せる「支援情報検索サイト」を案内しています。厚生労働省
名古屋市では、各区保健センターで精神保健福祉相談が行われています。また、医療機関を受診するか迷っている本人や家族を対象とした「名古屋市こころの健康無料相談」もあり、電話・LINE・予約制の面接相談が用意されています。名古屋市官网
つまり、
「どこへ相談するか分からない」こと自体を相談してよい
ということです。
相談先が決まってから相談するのではなく、相談しながら次の相談先を考える方法もあります。
迷ったときは、「場所」より先に3つを分けてみる
今回の小さな整理は、この3つだけです。
① 今、何に一番困っている?
たとえば、
「眠れない」
「仕事へ行けない」
「夫婦関係を整理したい」
「子どものことでどう関わればよいか分からない」
など。
まず、困りごとを一つ書いてみます。
② 心や身体の変化はある?
睡眠。
食欲。
疲労。
気分。
集中力。
頭痛や腹痛などの身体症状。
「悩み」だけではなく、こうした変化も相談先を考える材料になります。
③ 今、何をしてもらいたい?
診断や治療について知りたい。
薬について相談したい。
話しながら整理したい。
制度や相談先を知りたい。
家族としてどう関わればよいか相談したい。
この3つが分かると、
「精神科か、カウンセリングか」
という場所の二択から、
「今の私は、何を必要としている?」
という問いへ変わります。
一つの相談先だけで全部を解決しなくてもいい
こころの困りごとは、
心理。
身体。
家族。
仕事。
学校。
暮らし。
制度。
いくつかが重なっていることがあります。
だから、相談先も一つとは限りません。
医療機関で治療について相談しながら、カウンセリングで仕事や家族との関係を整理する。
保健センターで利用できる制度を聞く。
職場では業務調整について相談する。
というように、役割を分けることもできます。
自分で決めることは、一人で全部調べて、一つの正解を当てることではありません。
情報を聞く。
専門家へ相談する。
一度利用してみる。
合わなければ見直す。
別の支援を追加する。
そんな選び方もあります。
では、どこから始めればいい?
最後に、かなり簡単に分けます。
心身の症状が続いている・日常生活への影響が大きい
→ 医療機関への相談を検討する。
人間関係・仕事・家族・自分のことを整理したい
→ カウンセリングという選択肢がある。
医療かカウンセリングかも含め、どこへ行けばよいか分からない
→ 保健センターや精神保健福祉センターなどの公的相談を使う。
そして、
「消えたい」
「死にたい」
という気持ちが強い場合は、相談先をゆっくり比較する段階ではありません。厚生労働省の「まもろうよ こころ」では、24時間利用できる「#いのちSOS」などの相談窓口が案内されています。厚生労働省
相談先を選ぶとき、
「自分はどこへ行くべき人なのか」
と自分を分類する必要はありません。
まず、
「今、何に困っていて、何を一緒に整理してほしいのか」
を見る。
そこから、自分に合う入口を選んでいくことができます。

